特攻!MISTERY−SPOTS.



「残された手形」

投稿者  虎 様




・・・これは私の友人S君から、聞いた話です。・・・
 
彼の母は、いわゆる霊感がものすごく強い方だそうです。

ある夜、S君が寝ようとしていると、どこからか、

うめくような泣いているような声が聞こえてきたそうです。

その声をたどっていくと、母の部屋にたどりつきました。

どうも、その声は母の部屋から聞こえてきます。S君はその部屋に入りました。

すると、うめいていたのは、S君の母ではないですか!。

S君の母は、あおむけで汗びっしょりになって、かなり、苦しそうです。

寝言のように「
たすけて・・・たすけて・・・」と言うだけです。

その夜は父も仕事が出張で、家にはいませんでした。S君はどうする事もできず、

ただただ、母の手を握っているしかありませんでした。

 しばらくすると、母のうめき声はおさまり、母は寝ついたようです。

S君もその夜は、安心しつつも、なにか一抹の不安に襲われながら、

眠ることになりました。


 翌朝、S君は、母に昨日の夜のことを尋ねました。

きのう、すごいうなされてたけど、なにか、夢でもみたの?」とS君。

いやね、昨日の夜、誰かが、私の身体を強く抱きしめていたものだから、

とても苦しかったのよ
」と母。

 しかし、そんなはずはありません。昨日の夜は、母の部屋に

は誰もいなかったのですから。そして、S君は母の腕を見て、

震え上がる事になったのです。

 
母の両腕には、くっきりと青黒いあざが残っていたのです。
 
あざはしばらくしてきえたそうですが、S君は今でも夜になると、

あの時の不安がよみがえってくるそうです。




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